夏頃までにはきっと3トン程の腐葉土ができると思います。思ったより大変でした。落ち葉を軽トラックの荷台に15配分ほど集めました。それも集める際にある程度踏み固めた上で、この分量です。一度には出来ませんので数日に分けて行いました。私にとっては精一杯の努力ですが、林や森全体から見ると微々たる量です。恐らく平均的な大きさの木の10本分余りでしょう。余談ですが、林や森では落ち葉は時間をかけ自然に土になり、土壌微生物も沢山棲み木々の命を支えます。この大切な土壌が1センチ作られるには100年掛かると言われています。初めて話す人にはいつも「何匹くらいだと思う」とクイズをだすのですが、肥沃な土壌には小指の先ほどのところに1億匹以上の微生物が棲息しています。土壌も微生物も大切に!
さて、菜園の隅に3x5メートルの長方形の大きさに簡単な木枠を作り、軽トラックの荷台からどんどん放り込みました。初日は頑張って4配分集めて、更に踏み固めて、米糠も少々加え、水も掛けて、風対策と温度保持の目的で透明なビニールを掛けて夕方に作業を終了。翌日になって、恐る恐る中に手を突っ込んでみるともう温度が上がっていました、外気は冬さなかで0度前後なので部分的に湯気らしきものも見れますーーーちょっと感激。そういう自分も汗をかいて体から湯気が出ていたのかもしれません。
散歩で足を休めた近くのおばさんにポイントを教えて貰ったのですが、吹き溜まりのように落ち葉がうずたかく溜まっている場所がところどころにあります。今どき落ち葉集めや腐葉土作りをやる農家はありませんし、近所の人が見るとゴミ掃除をしてくれている感覚になるのかも知れません。きっと喜ばれる事をしているのだとひとりニヤッとしています。隣の実相寺も神代桜だけでなく数十本の大きな木がありますので落ち葉の量も半端ではありません。しかし、境内はいつも奇麗に掃除されています。さすがに住職さんです。それを、無理もない事ですが厄介モノ扱いで殆どを燃やしています。私の方は落ち葉が欲しいし、お隣さんであるお寺さんのお手伝いも少しできれば良いかなと思い、住職さんにお話しして軽トラック4杯分ほど落ち葉掃除のお手伝をしました。ついでに住職さんが燃やした落ち葉の灰も有り難く頂きましたーこれも土壌に良いのです。神代桜の葉っぱも入っていると思いますが、意図して集めたのは殆どがケヤキの葉です。地元で色々な人のお話を聞くと、桜の葉は油分が多く溶けてしまうようで、最も良いのがクヌギ類だそうです。昔の人はクヌギ類を里山に増やしたそうです。落ち葉もそうですが、椎茸も作れるし、薪としても優れている等で利用価値が多かったのだそうです。
クヌギが沢山ある場所もうまく見つけて朝早くから集めました。そこは山の入り口に近いので熊が出ないか、、、出没する度に町で放送を流すのを何度か聞いた事があります、山の近くでは熊の注意が必要です。ある日、作業で夢中になっていて気がついたら隣で熊がドングリを食べていたといった心配やら空想をしていましたが、音もなくごく近くまで黒い秋田犬が散歩に来ていた以外はビクッとする事はありませんでした。そのおじさん(犬の飼い主)が色々教えてくれます。例えばクヌギの小枝にカブトムシが卵を産みつけているので腐葉土にする過程で沢山孵化して大きくなる。それらをイノシシが食べにくる。腐葉土の枠に金柵を作るなどの対策が今後必要のようです。その話を聞いて観察していたら落ち葉の層の直下の土(一年前の落ち葉が自然に腐葉土になった)のところに丸まると太ったカブトムシの幼虫が何匹かいました。私の大きな手の親指の太さ・長さがありますーーーその時の驚きが表現を少しオーバーにしたかも知れません。寒そうに体を丸めて冬眠状態のようでした。イノシシの身になれば大好物というのは納得、常食のミミズよりもずっと美味しそう。
私の方はそんなふうに汗を流し、落ち葉の方はいまも菜園の隅で熟成しています。と言いながらも、先日チェックしたら余り温度が上がっていない部分もあり、恐らく水分不足なので、フォークで切り返しをして沢山の水を掛けておきました。米糠も加えておきました。後はジイッート待とうと思っていますが、早く出来ないものかとの気持ちもあり、様子を見ながら一部でも5月頃から使えれば良いと期待しています。でも、「焦らず待たねば」と自分に言い聞かせている今日この頃です。